あこがれのボールパーク Major League Baseball のちょっとした話

シアトル
- King Dome -

セントルイス
- Busch Stadium -

シカゴ
- Wrigley Field -

セントルイス Busch Stadium ツアー  / あの McGwire と同じベンチに座れるぞ!

1998年シーズンは、ある男が偉大な記録を塗り替えるかどうかに大きな期待が集まっていた。 その男の名前は、Mark McGrire。St. Louis Cardinals のファーストベースマン。 97年シーズン、史上4位のホームラン記録を打ち立てた男。 今年は、Maris の持つメジャー記録61本を抜くかどうかに注目が集まっていた。

そんな1998年シーズンの始めの4月21日〜23日に St. Louis へ出張できることになった。 宿泊予定のホテルを地図上に見つけると、すぐ近くに Cardinals の本拠地 Busch Stadium があるのがわかった。 これは、絶対に試合を見なければならない・・・と思ったまではよかったが、Cardinals のスケジュールを見てがっかりした。Cardinals は、ちょうどロードに出ていた。

まあ、仕事でたまたま St. Louis へ来ただけだから・・・と無理矢理気を静めて仕事を消化した滞在最終日の午後にぽっかり時間が空いた。 せっかくだからスタジアムの写真くらいは撮ってこようと Busch Stadium へ向かうことにした。 そこは、滞在していたホテルからわずか1ブロックしか離れていないところにあった。 大きな立体駐車場の横を抜けると、古代ギリシャの遺跡のような巨大な施設が見えた。 Busch Stadium だ。とりあえず写真を1枚とった。

スタヂアムの周りをゆっくりと歩いてみた。 シート表が張ってあった。 それを見ながら、試合を見ている想像をした。 もう少し歩くと、隙間からスタヂアムの中が見えるところがあるのに気がついた。 まだ4月だというのに、まぶしい限りの緑の芝生が見えた。 ここで試合が行われるんだ。 少しずつ、悔しさがこみ上げてきた。

ちょうどセンター後方に当たるところは、ちょっとした広場になっていた。 そこに、Cardinals 歴代の優勝旗が掲げられているのが見えた。 優勝旗をバックにして、小さな女の子がおばあちゃんに写真を撮ってもらっていた。 ちょっとステキな光景だった。 その広場の中央に大きな像があった。 バットを持ったその像には「MUSIAL」と掘ってあった。Stan Musial だ。 そのままレフトスタンド裏の方向へ歩いていくと、今度はちょっと小さな像があった。Gibson だった。 このようにしてチームの貢献者を讃えるメジャーリーグはすばらしい。

スタヂアムの方に目をやると、チームショップがあった。営業中だ。 さっそく中へ入ってめぼしいものがないか物色。 Los Angels を招いての1998年開幕戦の記念ボールが3個売れ残っているのを見つけた。 1個8ドルであった。ボールには、1000個限定と書いてある。ラッキー!

店を出てさらに歩くと、道路を挟んだ建物にも Cardinals のマークがあるのが見えた。 そこは、ボーリングの殿堂と兼用になっている Cardinals の殿堂であった。 受付のところの案内に、殿堂の見物の他に、スタヂアムツアーという項目があるのを見つけた。 スタヂアムの中に入れるというのである。 この時点であまり時間がなくなっていた私は、迷わず殿堂の見物をあきらめて、スタヂアムツアーを選択する決断をした。

チケットを買うと、開始時間の5分前に奥へ集合するようにと言われた。 あまり時間がなかったので、すぐにそこへ向かった。 誰もいない。 指定された時間になる頃、おばあちゃん達が楽しげに談笑しながら集まってきた。 平日の午後である。結局、私の他にツアーに参加するのは、そのアメリカ人のおばあちゃん4人組しかいなかった。 案内の人に連れられ、さっき歩いてきたスタヂアムの周りをセンター後方へと戻っていった。 鍵があけられ、いよいよスタヂアムの中へと入っていった。

中へはいるとすぐ、バットとボールがどのようにして作られるか説明する展示物があった。 そして、Cardinals の歴代のヒーロー達のペナントが所狭しと掲げられていた。 メジャーはいいなぁ。市民達は本当にベースボールが好きなんだなぁ。自然と口元がゆるんでいく自分に気がついた。

スロープを歩いてセンター後方スタンドへと案内された。 「でかい!」それがフィールドを見渡した正直な第一印象だった。 「ヤツは、こんなところまでボールを運ぶのか!」と、正直に驚いた。 レフトスタンド、3塁側をまわって、今度は、バックネット裏にある放送室に案内してくれた。 あの Harry Caray がかつて Cardinals の試合を実況放送をしていたところだ。 ここからの眺めは最高だった。 案内の人は、やっぱり Harry のことを話していた。 誰からともなく、自然に Take me out to the ball game を歌い始め、そして合唱となった。皆、Harry 風に歌った。

階段をおり、地下へと案内された。通常は、Vip しか入れないところだ。 Cardinals の歴代のジャージが展示されている。 なつかしい写真やトロフィーなどが飾られている。 ふかふかの絨毯が敷かれた廊下を歩きながら、気分は、もう金持ちである。 すぐ近くに、Cardinals の選手達の控え室とダグアウトに通じる通路があった。 McGwire 達は、ここを実際に通っているんだ・・・そう思うだけで興奮した。

ちょっとしたトンネルを抜けた。そこは、バックネット裏の座席のど真ん中であった。 感動した。これで終わりかと思ったら、案内の人は、フェンスの一部となっている扉を開けてくれた。 フィードに入れてくれたのだ。サクサクとしたアンツーカーが心地よい。 まだ数試合しか使われていない、手入れの行き届いた緑の芝生が眩しい。 Cardinals の選手になったような夢心地でいたら、みんな1塁側へと歩き出した。 1塁側ダグアウトへと案内してくれた。またまた感動だ。 ダグアウトの中へ入って良いという。もう、記念撮影するしかない。 私は、McGwire と同じベンチに座ることができた。

ここまででちょうど1時間が経過した。ツアーの終了の時間だ。 緑いっぱいのフィールドの中を走り回りたい衝動を必死に押さえながらフィールドを後にし、チームショップの前まで案内されて解散となった。 これで、たったの5ドルだ。 試合を見ることができなかったのは残念だったが、そのかわり、スタヂアムツアーで、フィールドに足を踏み入れ、McGwire と同じダグアウトに入ってベンチに座ることまでできた。 十分すぎるくらい満足のいくツアーであった。自宅まで車で3時間。 興奮しすぎて事故を起こさないようにしなければ。

[ Copyright (c) 1998 Katsura Endo ]


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